
アウトソーシングを検討するとき、「業務委託の場所はどこでできるのか」「自社内運営と委託先拠点運営のどちらが最適か」で悩まれる企業が増えています。
自社オフィスで行うオンサイト型アウトソーシングと、委託先拠点で行うオフサイト型アウトソーシング
この2つのアウトソーシング手法は、コストや生産性だけでなく、セキュリティやコンプライアンスにも大きな影響を与えます。
さらに、インソース(オンサイト型アウトソーシング)/アウトソース(オフサイト型アウトソーシング)の違いを正しく理解しないまま場所選定を進めると、「偽装請負」リスクを見落とす危険もあります。
本記事では、業務委託の場所選びの基礎から、コンタクトセンター×バックオフィスBPOを一気通貫で担うマックスコムの実務視点まで、運営場所の最適解を整理していきます。
以降、インソース=自社拠点内での業務委託/アウトソース=委託先拠点での業務委託として呼称していきます。
1.【基礎知識】アウトソーシングの運営場所はどこ?2つの基本形態
アウトソーシングは「業務委託はどこでできるのか」という問いに対して、まず運営場所をどう設計するかが出発点になります。
インソースで運営するのか、アウトソースに任せるのかで、セキュリティやコスト、コミュニケーションの取り方、さらには法的リスクまで大きく変わります。
ここでは、インソースとアウトソースの違いの基本を押さえつつ、「アウトソーシングの手法」として代表的な2つの運営形態を整理します。
1-1. アウトソーシングは委託先のオフィスだけで行うもの?
「業務委託は委託先企業内のセンターでしかできない」と考えられがちですが、それは半分だけ正しい認識です。
実際には、業務委託の場所は柔軟に設計できます。
委託先が保有するコンタクトセンターやバックオフィスセンターに業務を移す方法だけでなく、アウトソーシングを自社内で、専門スタッフが常駐しながら運営する方法も一般的になりつつあります。
マックスコムでも、電話・チャットなどのコンタクトセンター機能と、バックオフィスの事務処理を、インソースとアウトソースの双方で設計するケースが増えています。
重要なのは、「どこでできるか」ではなく、「自社の業務をどこで行うと、全体最適になり、かつ安全か」を逆算して考えることです。
1-2. 「インソース」「アウトソース」2つのアウトソーシングの手法
アウトソーシングの手法を大きく分けると、「インソース」と「アウトソース」の2つがあります。
インソースは、自社のオフィス内に委託先のスタッフやスーパーバイザーが常駐し、システムや物理的な座席などのインフラも含めて、自社の環境を使いながら業務を運営する形態です。
一方、アウトソースは、委託先が保有する専門拠点(コンタクトセンター、事務センターなど)に業務を切り出し、そこで運営するスタイルです。
マックスコムでは、業様のニーズや業務委託の背景を丁寧にヒアリングした上で、
最適な業務設計行います。状況に応じて、インソースとアウトソースを効果的に組み合わせた「ハイブリッド型」のソリューションも柔軟にご提案し、サポートいたします。
| 手法 | 運営場所 | 指揮命令 | 向いている業務 |
|---|---|---|---|
| インソース | 自社オフィス内 | 委託先管理者が指揮 | 機密性が高く頻繁に変更が出る業務 |
| アウトソース | 委託先の所有するセンター | 委託先管理者が指揮 | 定型処理や繁閑差の大きい業務 |
1-3. インソースとアウトソースの違いから考える「場所」の重要性
インソースは、自社設備を用いてアウトソーシングベンダーに運営を任せるモデルです。
一方、アウトソースは、業務環境やシステムそのものを外部の専門会社に任せるモデルであり、同時に「どの場所を使うか」という選択も伴います。
インソースとアウトソースそれぞれに対する違いの本質は、「誰が、どこで、何を担うか」という役割分担にあります。
たとえばCRMに蓄積されたVOC(顧客の声)を分析し、商品改善に活かすといった高度な業務は、自社と委託先がデータ連携しながら共創的に進める必要があります。
だからこそ、「業務委託の場所」を軽視せず、セキュリティ、コスト、DX推進、オムニチャネル対応など、複数の観点から総合的に判断することが欠かせません。
1-4. アウトソーシングの検討の際に押さえるべき場所選定の前提知識
業務委託がどこでできるかを検討する際には、「外に出すか/中に留めるか」という二択で考えるのではなく、自社の現状から要件を洗い出すことが重要です。
特に、扱う情報の機微性(個人情報・決済情報・機密資料など)、既存システム・セキュリティの構成(オンプレかクラウドか、外部接続の可否)、社内の空きスペースやネットワーク環境の制約を整理しておくと、インソースとアウトソースの向き不向きが見えます。
マックスコムでは、コンタクトセンターとバックオフィスの一気通貫BPO設計の経験をもとに、業務プロセス全体を可視化し、「どの工程をどこで行うと最適か」を一緒に棚卸しするところから支援しています。
- 扱うデータの機密性と量
- 既存システムの接続要件・制約
- 社内スペース・設備の余力
- 将来のDX・AI活用の構想
これらを前提条件として整理したうえで、最適な運営場所を検討していくことが、失敗しないアウトソーシング設計の第一歩です。
2. 自社内で完結させる「インソース」のメリットとデメリット

インソースは、「アウトソーシングを自社内で行いたい」「データを外に出しづらい」「自社の見える環境で業務を遂行してほしい」という企業にとって、有力な選択肢です。
一方で、人材派遣との違いや偽装請負リスクを理解せずに導入すると、コンプライアンス上の重大な問題につながります。
ここでは、インソース運営が適した業務の特徴、メリット・デメリットを整理しつつ、マックスコムが現場で培ってきた運営上のポイントも交えながら解説します。
2-1. インソースが適している業務の共通点インソースが力を発揮するのは、「どうしても社外に出せない情報」や「頻繁なルール変更」が前提となる業務です。
例えば、外部からアクセスできない基幹システムを用いる与信判断、社内決裁フローが複雑なバックオフィス処理、短スパンでの運用・システムの変更などが挙げられます。
また、コンタクトセンターの一部機能だけを自社オフィスに残し、他はアウトソースに出すといった、フロントとバックを分けた設計も可能です。
DXを進めつつも、どうしてもオンプレ環境でしか扱えない情報がある場合、業務委託場所としてインソースを組み込むことが現実的な解になります。
■インソースが適している業務例
- 閉域網からしかアクセスできない基幹システムを使う業務
- 日々ルール・商品仕様が変わる企画寄りの業務
- 経営陣のそばで即時レポートが求められる業務
このような業務がインソースに適しています。インソースとアウトソースのどちらが適しているか、ご提案も可能ですのでお気軽にご相談ください。
2-2. 【メリット】自社の既存システムや社内インフラをそのまま活用できる
インソースの大きなメリットは、「システム移行を行わずに、今ある環境のままプロに任せられる」ことです。
古いオンプレ型の業務システムや、外部接続を禁止しているネットワークなど、外部に持ち出しにくい環境でも、そのままアウトソーシングできます。
これにより、「システム刷新とBPOを同時に行う」というような大規模プロジェクトにせず、段階的にDXを進めることができます。
マックスコムでは、インソースで業務を引き継いだうえで、そこで得られたVOCや業務データをもとに、将来的なクラウド化・自動化のロードマップを描く支援も行っています。
| 観点 | インソースの利点 |
|---|---|
| システム | 既存環境やセキュリティ設定を活かせる/移設・接続テストが最小限 |
| 期間 | 既に環境が整っている場合に、立ち上げが比較的短期間で可能 |
| DX | 外部に持ち出すことができない、現場データを基にした段階的なDX設計がしやすい |
2-3. 【メリット】重要な機密情報や個人情報を自社内から出さずに安全に管理できる
金融・官公庁・医療など、極めて高い機密性が求められる領域では、「データを外部に出さないこと」自体が必須条件になります。
インソースであれば、物理的にも論理的にも自社のセキュリティポリシーの中で業務を完結できるため、情報管理上の安心感が高いのが特徴です。
マックスコムは、KDDIと三井物産の共同出資であるアルティウスリンクグループとして、大規模かつ高セキュリティな案件の運営実績を多数持っており、そのノウハウをインソースにも反映しています。
たとえば、閲覧権限の細分化、業務ログの取得・モニタリング、紙媒体の保管・廃棄ルールなどを、お客様の基準に合わせて設計し、運用まで一貫して支援します。
- データの物理的持ち出しリスクをゼロにできる
- 自社のセキュリティ監査・内部統制の枠組み内で運用可能
- 高リスク業務に強みのあるインソース、それ以外でも要件をすり合わせることでアウトソースといった切り分けも容易
2-4. 【メリット】委託先とコミュニケーションが取りやすい・現場の様子が物理的に目に見える
インソースでは、委託スタッフが同じフロアや同じビルにいるため、コミュニケーションの密度を高めやすいという利点があります。
突発的な運用フロー変更、商品仕様変更、システムトラブルなどが起きた際にも、対面コミュニケーションで迅速に状況共有し、業務フローの突発的な変更を実装できます。
また、実際の作業風景が視界に入ることで、「どんなプロセスで仕事をしているのか」「どこにボトルネックがあるのか」が把握しやすく、アウトソーシングでありがちなブラックボックス化を防げます。
マックスコムでは、定例ミーティングや改善提案会議をインソースの現場で行い、VOCやKPIをもとにした改善サイクルをお客様と共に回すことで、単なる代行ではない共創型BPOを実現しています。
| メリット | 具体的な効果 |
|---|---|
| 高いコミュニケーション性 | 仕様変更の反映が早く、ミスコミュニケーションも減少 |
| 見える化 | 業務プロセスや品質レベルを自社でも把握しやすい |
| 共創 | 現場発の改善提案やDXアイデアが生まれやすい |
2-5. 【デメリット】委託スタッフを受け入れるためのオフィスインフラを準備・手配するコストと管理工数が必要
インソースでは、委託スタッフの作業環境をお客様側で用意するケースが多く、一定の初期投資と運用負荷が発生します。
席数の確保、会議室や研修スペースの割り当て、PC・ヘッドセット・電話機など機器類の準備、ネットワークへの接続設定、資産管理などが必要です。
このため、既にオフィスが手狭になっている企業や、本社機能のスリム化を進めたい企業には負担になる場合があります。
インソースを選ぶ際には、単に「セキュリティのため」という視点だけでなく、中長期的なスペース戦略やIT資産管理の方針も含めて検討することが重要です。
- オフィスレイアウトの見直し・増床コスト
- PC・電話・周辺機器の調達・キッティング
- 社内ネットワーク・セキュリティポリシーとの整合性確保
- 資産管理・棚卸しなどの運用工数
2-6. 【デメリット】委託スタッフへ直接の指示(指揮命令)ができない運用の壁
インソースは、物理的には「同じオフィスで働いている」状態になりますが、契約形態はあくまで「業務委託(請負)」です。
そのため、委託スタッフに対して、自社の社員が直接業務指示を行うことはできません。
これはインソースとアウトソースの違いの中でも特に誤解されやすいポイントであり、ここを曖昧にすると偽装請負のリスクが高まります。
運用上は、マックスコム側の現場責任者(SVやマネージャー)を指揮命令ラインの窓口とし、お客様からの要望や優先順位の変更は、必ずこの窓口経由で委託スタッフに展開するフローを設計します。
| 項目 | インソース業務委託 |
|---|---|
| 指揮命令 | マックスコムの管理者が一元的に実施 |
| 貴社からの依頼 | 担当窓口(PM・SV)を通じて伝達 |
| 直接指示 | 原則NG(偽装請負のリスク) |
この運用ルールに慣れるまで、現場で戸惑いが生じることもありますが、事前の説明・教育と、明確なフロー設計でスムーズに定着させることができます。
3. 委託先の専門拠点を活用するアウトソースのメリットとデメリット
アウトソースは、委託先が保有するコンタクトセンターやバックオフィスセンターに業務を移管する形態です。
業務量の変動に柔軟に対応しやすく、AI・RPAなど最新テクノロジーを活用しやすいことから、DX時代のスタンダードなアウトソーシングを行える手法になりつつあります。
ここでは、アウトソースが適した業務のタイプや、メリット・デメリット、それを踏まえた設計上のポイントを整理します。
3-1. アウトソースが適している業務の共通点
アウトソースに向いているのは、ルールやマニュアルで標準化しやすい定型業務、件数の増減が大きいコールセンター・事務センター業務などです。
たとえば、キャンペーン問い合わせ窓口、申込書のデータ入力、FAQに基づくメール・チャット対応、バックオフィス処理などは、アウトソースで大きな効果を発揮しやすい領域です。
マックスコムでは、電話・メール・チャット・Web・SNSを統合したオムニチャネルコンタクトセンターと、その後続の事務処理を同一拠点で運営することで、VOCの一元管理と全体最適を実現しています。
- 手順や判断基準をマニュアル化しやすい業務
- 繁忙期・閑散期で件数が大きく変動する業務
- オフィススペースを圧迫したくないバックオフィス業務
- AI・RPAなど自動化の余地が大きい業務
3-2. 【メリット】委託先が所有するスペース、インフラ、テクノロジーを活用できる
アウトソースの最大のメリットは、委託先が既に整えている「箱」と「仕組み」をそのまま活用できる点です。
新たにオフィスを増床したり、数十席・数百席分のPCや電話設備を自社で調達したりする必要はありません。
さらに、マックスコムのようなBPO事業者は、AIチャットボット、ボイスボット、音声認識、RPAなどのツール群を既に導入・検証しています。
そのため、初期投資を抑えながら、自社単独では試しにくい最新テクノロジーを、自社業務に素早く組み込めるのが特徴です。
| 項目 | 自社構築 | アウトソース活用 |
|---|---|---|
| スペース | 新規賃借・レイアウト設計が必要 | 委託先センターをそのまま利用 |
| インフラ | PBX・回線・PCなどを自社で調達 | 既存設備を転用、導入期間を短縮 |
| テクノロジー | 個別に選定・検証が必要 | 委託先実績あるツールを活用 |
3-3. 【メリット】委託先が保有する強固な「セキュリティ専用センター」でリスクを低減できる
「外部に出すとセキュリティが不安」という声は多いですが、実はBPO専用センターの方が、一般のオフィスよりも高いセキュリティレベルで運営されていることが少なくありません。
マックスコムのセンターでは、ICカードによる入退室管理、私物持ち込み制限、常時録画の監視カメラ、USBポート制限など、情報漏洩対策を徹底しています。
さらに、KDDIと三井物産の共同出資であるアルティウスリンクグループとして、官公庁・金融・通信など高機密案件で培ったコンプライアンス基準を、センター運営全体に適用しています。
これにより、AIやOCR、クラウドサービスなどのソリューションを活用しつつも、厳格なセキュリティ要件を満たしたBPO運営が可能です。
- 物理セキュリティ(入退室、監視カメラ、クリーンデスク)
- 情報セキュリティ(アクセス制御、ログ管理、暗号化)
- 人のセキュリティ(教育、誓約書、モニタリング)
3-4. 【メリット】運用ノウハウが集約されたプロの作業環境で最適化・DX化してもらえる
アウトソースのセンターには、業界・業務を問わず、多数のプロジェクトで培われた運用ノウハウが蓄積されています。
マックスコムでは、KPI設計、スクリプト・FAQのチューニング、教育・研修、モニタリング・フィードバックなどの仕組みを共通化し、案件ごとに最適化しています。
この環境に業務を移管することで、単にコストを下げるだけでなく、マニュアルの品質向上やプロセスの標準化、AIやRPAによる自動化など、DXを一気に進めやすくなります。
また、コンタクトセンターとバックオフィスを同一拠点で運営することで、VOCをリアルタイムに分析し、商品・サービス改善へのフィードバックサイクルを短縮できます。
| 領域 | 期待できる効果 |
|---|---|
| 業務プロセス | ムダな手戻りの削減、処理時間短縮 |
| 品質管理 | KPI可視化と継続的な改善サイクル |
| DX・AI | チャットボット、ボイスボット、RPAの段階導入 |
3-5. 【メリット】業務量(繁忙期・閑散期)に合わせた設備確保・人員配置ができる柔軟なスケール性
自社スタッフ・設備で運営すると、席数や人員規模を柔軟に変えることは容易ではありません。
一方、アウトソースでは、同一拠点内に複数案件が存在するため、繁忙期に必要な席数・人員を短期間で増やし、閑散期には縮小するといったスケール調整がしやすくなります。
マックスコムでは、「キャンペーン期間中だけコールセンター席数を3倍に」「新サービス開始の3カ月だけバックオフィス体制を増員」といったニーズに、アウトソースで数多く対応してきました。
その結果、固定費中心だった人件費・設備費を、より変動費に近い形へシフトしやすくなり、経営資源を戦略領域へ再配分しやすくなります。
- 短期キャンペーンや季節要因への柔軟な増員
- 閑散期に合わせたスリムな体制への縮小
- 新規事業・サービス立ち上げ時の一時的なバックアップ
3-6. 【デメリット・対策】外部にデータを持ち出すための厳格なセキュリティ承認の手間
アウトソースの課題は、「どこまでのデータを外部に渡せるか」を社内で慎重に検討し、承認を得るプロセスに時間がかかることです。
しかし、このプロセスを丁寧に行うことで、結果的に安全かつ効率的な業務切り分けが可能になります。
マックスコムでは、業務フローを細分化し、「データ入力は委託先センター」「最終審査や決裁は自社内」といった役割分担を提案します。
個人情報をマスキングしたデータのみをアウトソースに渡す設計なども含め、どの工程をどこで処理するかを、セキュリティ観点から共同で検討します。
| 検討ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 業務棚卸し | プロセスを分解し、データの流れを可視化 |
| 2. データ分類 | 機密度別に情報を分類(極秘・社外秘・一般) |
| 3. 切り分け設計 | どのデータをどこまで外部に出すかを定義 |
| 4. 社内承認 | 情報セキュリティ部門・法務部門との調整 |
3-7. 【デメリット・対策】実際の作業風景が見えないため進捗把握に工夫が必要
アウトソースでは、物理的に現場が離れているため、「いま現場で何が起きているのか」が直接見えにくいという不安が生まれやすくなります。
この課題に対してマックスコムが重視しているのは、「数字」と「対話」の両輪による見える化です。
日次・週次・月次の定期レポートで、応答率、処理件数、VOC傾向などのKPIを可視化し、Web会議やチャットツールを活用した定例ミーティングで、背景や改善策をすり合わせます。
こうした仕組みをあらかじめ運用設計に組み込むことで、インソースに近いレベルの把握感・安心感を担保できます。
- KPIダッシュボードによるリアルタイムモニタリング
- 定例会でのレポート共有とVOC分析結果の報告
- チャットツールを用いた日次の簡易報告・相談窓口
3-8. 【デメリット・対策】突発的な仕様変更やルール変更への即時対応に手間がかかる
アウトソース運営では、商品仕様変更やキャンペーン条件の変更などが発生した際に、情報伝達とマニュアル改訂にタイムラグが生じるリスクがあります。
これを最小化するには、「変更が起きた瞬間から現場反映までのプロセス」を事前に設計しておくことが重要です。
マックスコムでは、チャネル別(電話・メール・チャットなど)の影響範囲も含めて、連絡ルート、利用ツール、承認フロー、マニュアル改訂手順を明文化します。
これにより、オムニチャネル環境でも、顧客を迷わせないシームレスな体験(CX)を維持しながら、スピーディにルール変更を反映できます。
| 項目 | 設計のポイント |
|---|---|
| 連絡ルート | 「誰が」「誰に」変更情報を伝えるかを明確化 |
| ツール | チャット/メール/専用ポータルなどを使い分け |
| 承認フロー | どの段階で誰の承認が必要かを事前定義 |
| マニュアル改訂 | 担当者・期限・教育方法をルール化 |
4. 間違うと危険!「インソース」は「偽装請負」になりやすい

インソースは、業務委託の場所を自社内にできる便利な手法ですが、人材派遣との違いを誤解すると「偽装請負」という重大な法令違反につながります。
とくに、「同じフロアにいるから」「話しかけた方が早いから」といった理由で、つい委託スタッフに直接指示を出してしまうケースには注意が必要です。
ここでは、アウトソーシング(インソース)と派遣の違い、偽装請負のリスク、その防止策としてマックスコムが実践している運用についてお伝えします。
4-1. まず、アウトソーシング(インソース)と人材派遣はどのように違う?
アウトソーシングと人材派遣の最大の違いは、「指揮命令権」がどこにあるかです。
人材派遣は「労働力」を借りる仕組みであり、派遣スタッフには自社の社員が直接指示を出します。
一方、アウトソーシング(業務委託・請負・BPO)は、「業務の完了・成果物」を委託先が引き受ける契約であり、現場スタッフへの指示は、あくまで委託先企業の管理者が行います。
インソースは場所が自社内であっても、この原則は変わりません。
インソース/アウトソースの違いを理解し、「誰が誰に指示するべきか」を明確に線引きすることが、コンプライアンス遵守の第一歩です。
- 派遣:指揮命令権は自社の社員
- 業務委託:指揮命令権は委託先企業側
アウトソーシングであれば、実施場所が自社内であったとしても、委託先への指示は委託先管理者を経由して行う必要があります。
4-2. 「偽装請負」って何?起こるとどうなる?
偽装請負とは、契約書上は「業務委託(請負)」となっているにもかかわらず、実態としては自社の社員が委託スタッフに直接指揮命令を行っている状態を指します。
これは、労働基準法や労働者派遣法に反する違法な状態です。
偽装請負が発覚すると、労働局からの是正勧告や行政指導を受けるだけでなく、場合によっては派遣法違反として罰則の対象となる可能性もあります。
また、法令違反を起こした企業として社会的信用を損ない、上場企業や官公庁との取引にも影響が出るリスクがあります。
| 項目 | 影響 |
|---|---|
| 法的リスク | 労働者派遣法違反による行政指導・罰則 |
| ビジネスリスク | 取引先・株主からの信頼低下 |
| 人的リスク | スタッフとのトラブル、労務問題の発生 |
4-3. なぜ起きる?「インソース」に潜む「偽装請負」の罠
インソースでは、委託スタッフが自社の社員と同じオフィスで働くため、物理的な距離の近さから心理的な距離も縮まりやすくなります。
その結果、本来は委託先の管理者を通すべき指示を、「少しだけ」「緊急だから」といった理由で直接行ってしまうケースが生まれます。
特に、日々の業務が忙しい現場ほど、「窓口を挟むのは手間」と感じてしまいがちです。
しかし、その積み重ねが偽装請負の状態を作り、結果として自社・委託先企業の双方にとって大きなリスクとなります。
マックスコムでは、この「つい」の一言が出ないよう、動線設計や席配置、コミュニケーションルールまで含めてインソース運営を設計しています。
- 同じ島に座っているため、直接話しかけやすい
- 業務改善の意図で指示したつもりが、実態としては指揮命令になっている
- 緊急時の対応をきっかけに、直接指示が常態化してしまう
4-4. 例えば何がダメ?「偽装請負」の具体例
偽装請負に該当する行為を具体的にイメージできるようにしておくことが重要です。
代表的なNG例としては、以下のようなものがあります。
- 自社社員が委託スタッフに直接「この資料を20部コピーして」など、業務範囲外の雑務を依頼する
- 自社社員が委託スタッフのシフトや休憩時間を指定・調整する
- 自社社員が委託スタッフに対して、業務スピードや品質について直接叱責・評価する
これらはすべて、本来は委託先企業の管理者が行うべき指揮命令・評価行為にあたります。
一方で、「業務結果に対する要望・フィードバック」を委託先企業の窓口担当者に伝えることは、正当なコミュニケーションです。
線引きが曖昧な場合は、導入前研修やガイドライン整備によって、社内にルールを浸透させることが重要です。
4-5. マックスコムが実践する、コンプライアンスを徹底遵守した安心の常駐体制
マックスコムは、KDDIと三井物産の共同出資によるアルティウスリンクグループの一員として、コンプライアンスと情報セキュリティを最重要テーマに位置づけています。
インソースにおいては、偽装請負リスクを排除するために、契約、運用設計、教育の3つのレイヤーで対策を講じています。
まず契約段階で、業務範囲・成果物・指揮命令ルートを明文化します。
運用設計では、マックスコムのスタッフとお客様の座席配置や動線を工夫し、コミュニケーション窓口を明確にします。
さらに、お客様向けにもインソースでのアウトソーシングの正しい運用方法を研修し、双方が安心して共創できる環境を整えています。
- 契約書・業務仕様書で指揮命令ラインを明確化
- 現場の動線・座席配置に配慮したレイアウト設計
- お客様・マックスコム双方へのコンプライアンス研修
- 定期的な監査・チェックによる継続的な是正
まとめ
アウトソーシングの運営場所は、「インソースとアウトソースの違い」を踏まえた設計が重要です。業務委託はどこでできるのか、自社内で行うインソースか、委託先拠点を使うアウトソースかで、セキュリティ要件やコスト構造、DXの進め方が大きく変わります。アウトソーシングの手法を選ぶ際は、アウトソーシングを自社内で行うべきプロセスと、専門センターに任せるべきプロセスを分解し、フロントとバックの一気通貫で最適化する視点が欠かせません。マックスコムは、KDDIと三井物産の共同出資であるアルティウスリンクグループの高いセキュリティ基準と、コンタクトセンター×バックオフィスBPOの運用力、AI・CRMを活用したVOC分析を組み合わせ、お客様ごとに最適な業務委託の場所とスキームを設計します。自社に最適なアウトソーシングの場所・手法を検討したい企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

